街の小さな複合施設
Consulting No.09
設計期間 :Designe Date
工事期間 :Const. Date
工事内容 :Construction
用途 :Principal Use
構造 :Structure
敷地面積 :Site Area
床面積 :Floor Area
敷地 :Building Site
設計 :Space Design
要望内容 :Demand
2017年8月~10月
2017年11月~2018年02月
補強+改修工事
ギャラリー+店舗+店舗
在来木造
110㎡(33坪)
220㎡(66坪)
台東区 上野桜木
田村匡將建築設計事務所
1.柔軟な展示ができるようにしたい
2.昔の趣を残し、新しさも欲しい
3.街の人が入りたくなるものにしたい
東京上野公園と日暮里の間にある高級住宅街”上野桜木”にある築年数が不明の、恐らく大正時代からある建物の一部の改修計画です。門型の小さなギャラリーを設計しています。
この場所を街の小さな複合施設として、様々な展示やコミュニティが交差するスペースとして存在しています。
竣工後、自ら展示も行いました。
私が卒業した東京芸術大学を退任するトムヘネガン教授一人への展示と題して”P.S.展 - トムさんへの追伸”という展示を行いました東京芸術大学からも徒歩3分ほどの立地であったため、
大学校内で行われた退任展の会期に合わせて、OBの卒業生が社会での成果をトム・ヘネガン教授に報告する展示おこないました。(トム・ヘネガン教授退任展はこちら)
退官展の来場者や、近所の方々、谷根千の観光客の方々も覗いていって下さった結果、9日間で425名以上の方が足を運んで観に来ていただきました。およそ6坪という小さなギャラリーとしては、かなりの来場者数を記録しました。
このように、小さな用途が集合した空き家開発が可能ではないかと思いました。少しの間でしたが、運営に関わった事で、色々な学びも知る事ができました。
僕の建築の師は2人います。
1人は故・小嶋一浩。
師からは大学時代に建築のプロフェッショナルとは何なのか、心地いいとは何か、空間とは何なのかを厳しく教わりました。そして建築の面白さを同時に知り、師を見て建築を造っていきたいと思うようになりました。私が大学院の進学をどうしようか考えていた頃、師に相談したところ、「1年前からトム・ヘネガンという建築家が日本に来ている。彼が日本にいるなら、絶対彼のところ入った方がいい。トムは僕らの世代のヒーローなんだ」と教えてくれました。
そして、私の2人目の師となる、トム・ヘネガンに会いにいきました。
2人目の師は、その、トム・ヘネガン。
大学院の事前面接で廊下で待っていたら、「Hello! Nice to meet you !」と両腕を広げてくれました。
飛び込んだ師の胸の中には、知性が取り巻く素敵な建築の世界が広がっていて 、この人の言う"建築"は信頼できる。
スゴイ人だ、、、と強く感じました。
その後、大学院を卒業し、数年が経った頃、1人の師・小嶋一浩ははこの世を早くも去ってしまいました。
あなたが残したのは、優れた建築物だけでなく、私のようにあなたに影響を受けた”子供達”。
今社会であなたの言葉を思い出しながら、ひしひしと建築の厳しさと楽しさを噛み締めています。
2人の建築の師は、どちらも僕のヒーローです。